CDAI (クローン病活動性指数) 計算機

過去7日間の体調から、現在の疾患状態を客観的に数値化します。

日々の症状(過去7日間の合計)

(1日平均1回なら 7 と入力)
(0:なし, 1:軽, 2:中, 3:重 を毎日合算。最大21)
(0:良好 〜 4:非常に不良 を毎日合算。最大28)

臨床・身体データ

性別:
(標準値:男47, 女42)
現在体重 / 標準体重 を計算します

CDAIスコアを正しく理解する:クローン病の寛解と治療の指標

クローン病(IBD:炎症性腸疾患の一つ)の治療において、最も頻繁に使われる指標が**CDAI (Crohn's Disease Activity Index)**です。医師の主観だけでなく、患者さんの自覚症状や血液データ、身体所見をポイント制で合算することで、今の病状が「火が吹いている状態(活動期)」なのか「落ち着いている状態(寛解期)」なのかを客観的に判断します。

本記事では、CDAIの計算項目の詳細から、スコアに基づく治療のステップ、そして毎日の生活でどのようにスコアを管理すべきかについて、1,000文字以上のボリュームで徹底解説します。

1. CDAIを構成する「8つの項目」とその意味

CDAIは単なる「おなかの調子」の指標ではありません。以下の8つの要素を、特定の係数で掛け合わせて算出します。

  • 下痢の回数(係数2): 過去7白間の合計をカウントします。炎症が強いほど水分吸収が低下し、回数が増えます。
  • 腹痛(係数5): 0(なし)から3(重度)の4段階を7日間合算します。
  • 全身状態(係数7): 0(良好)から4(非常に悪い)の5段階を7日間合算します。係数が大きく、スコアに強く影響します。
  • 合併症(各20点): 関節炎、皮膚症状(結節性紅斑)、口内炎、発熱などが含まれます。クローン病が腸管以外にも影響を及ぼしているサインです。
  • 止瀉薬の使用(30点): ロペミンなどを使用している場合、下痢回数が抑えられていても、病状としては活動的であると評価されます。
  • 腹部腫瘤(最大50点): お腹の中に炎症によるしこりがあるかどうか。
  • ヘマトクリット値(係数6): 標準値との差を計算します。貧血が進んでいるとスコアが上がります。
  • 体重(係数1): 標準体重からの乖離を評価します。

2. スコア判定:150点の境界線

算出された総スコアにより、現在の状態を以下のように分類します。

  • 150点未満:臨床的寛解(Remission)
    病状が安定しており、炎症が抑えられている状態です。現在の治療(維持療法)を継続することが目標となります。
  • 150点〜220点:軽症(Mild)
    症状が出始めています。食事の見直しや、5-ASA製剤、あるいは局所ステロイドなどの調整が検討される時期です。
  • 220点〜450点:中等症(Moderate)
    日常生活に支障が出るレベルです。ステロイドの全身投与や、生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ、ステラーラ、エントリビオなど)の導入・切り替えが検討されます。
  • 450点以上:重炎症(Severe)
    入院治療が必要な深刻な状態です。穿孔(穴が開く)や狭窄、膿瘍などの合併症リスクが高まっています。

3. 最近注目される指標:CDAIと炎症マーカーの関係

CDAIは非常に優れた指標ですが、一方で「自覚症状」に頼っている部分が大きいため、実際の腸粘膜の炎症(粘膜治癒)と完全には一致しないことがあります。これを補うために、最近では血液検査の**CRP**や、より感度の高い**便中カルプロテクチン**などの生体指標をCDAIと組み合わせて柔軟に治療方針を決定します。スコアが低くても便中カルプロテクチンが高い場合は、再燃(再発)の予兆として注意が必要です。

4. 患者さんが自宅でできること:モニタリングのコツ

診察時に「最近どうですか?」と聞かれても、過去7日間の正確な下痢回数や腹痛を思い出すのは困難です。IBDアプリや専用の記録ノートを活用して、毎日メモしておく習慣をつけましょう。当計算機を使って月に一度セルフチェックを行うことで、自分自身の「再燃のパターン(腹痛の後に下痢が増える、など)」に早期に気づくことができるようになります。

5. まとめ:CDAIは「医師との会話」を助ける羅針盤

CDAIの目的は、単に数字を出すことではなく、その数字を通じて「今、どれくらい辛いのか」「治療はうまくいっているのか」を医療従事者と共有することにあります。寛解は「ゴール」ではなく、そこからやりたいことを実現するための「スタート地点」です。当ツールを、あなたの健やかな毎日のための相談パートナーとしてお役立てください。