胸痛スコア・診断補助(HEARTスコア)

胸の痛みが心臓由来のものかどうかのリスクを評価します。

【警告】現在進行形で胸が締め付けられるような痛みがある場合は、このページを閉じて直ちに救急車(119番)を呼んでください。

以下は医療機関での判定に使われるHEARTスコアの項目です。

「心臓発作らしい」とは:左胸の圧迫感、冷や汗、左腕や顎への放散痛、労作で悪化、ニトロで改善など。
※不明な場合は0か1を選択(一般の方向け:検査していない場合は未評価)
高血圧、高コレステロール、糖尿病、喫煙、肥満、家族歴など。
※血液検査の結果です。不明な場合は最も良い状態を選択して目安を見てください。

評価結果

その胸の痛みは大丈夫?「HEARTスコア」による判断

胸が痛むと「もしかして心臓発作?」と不安になるものです。 胸痛の原因は、筋肉痛や逆流性食道炎などの軽いものから、心筋梗塞や解離性大動脈瘤といった命に関わるものまで様々です。 医師は様々な情報を組み合わせて、その痛みが「心血管疾患(ACS)」によるものかどうかを判断します。 その判断基準の一つとして世界中で使われているのが「HEARTスコア」です。

医師はここを見ている!「痛みの性質」

HEARTスコアの最初の項目「History(病歴)」は、患者さんの話から判断します。 以下のような特徴がある場合、心臓のリスクが高いと判断され、点数が加算されます。

  • 圧迫感:「重い石が乗ったような」「万力で締め付けられるような」痛み。チクチクする痛みは心臓らしくないことが多いです。
  • 放散痛: 胸だけでなく、左肩、左腕、背中、顎(あご)、歯などに痛みが広がる感覚。
  • 随伴症状: 冷や汗が出る、吐き気がする、息苦しい。
  • 誘因: 階段を登るなど体を動かすと痛くなり、休むと治る(労作性)。

逆に、「指で押すと痛い」「体勢を変えると痛い」「深呼吸で痛い」といった痛みは、筋肉や骨、肺の膜(胸膜)由来であることが多く、心臓のリスクは低いと考えられます(0点)。

リスク因子(危険因子)の数え方

「Risk factors」の項目では、以下の要素をカウントします。 これらが多いほど、血管の動脈硬化が進んでいる可能性が高いため、リスクが高くなります。

  • 現在、タバコを吸っている
  • 高血圧と言われている
  • 糖尿病がある
  • 脂質異常症(高コレステロール・中性脂肪)がある
  • 肥満(BMI 30以上)
  • 家族(両親や兄弟)で若くして心臓病になった人がいる(遺伝的素因)

また、過去に心筋梗塞を起こしたことがある、カテーテル手術やバイパス手術を受けたことがある、脳卒中、足の血管の病気がある方は、それだけで最高点(2点)がつきます。

自己判断は厳禁です

このツールで計算できるのはあくまで確率です。 たとえスコアが低くても、「なんとなくいつもと違う」「嫌な予感がする」という感覚は非常に重要です。 特に高齢者や糖尿病患者さんでは、典型的な痛みがなく「なんとなく息苦しい」「だるい」といった症状だけで心筋梗塞が起きていることもあります(無痛性心筋梗塞)。 迷ったら躊躇せずに医療機関を受診してください。