カーノフスキー・パフォーマンス・ステータス (KPS) 計算機

患者の全身状態(パフォーマンスステータス)を0%〜100%で判定します。

100%
正常、愁訴なし。疾患の徴候なし。
90%
正常活動が可能。軽微な疾患の徴候または症状あり。
80%
努力すれば正常活動が可能。いくつかの疾患の徴候または症状あり。
70%
自分自身の身のまわりのことはできるが、通常の活動や仕事はできない。
60%
ときどき助けを必要とするが、大部分のことは自分自身でできる。
50%
かなりの助けと頻繁な医療的ケアが必要。
40%
不自由。特別なケアと助けが必要。
30%
重病。入院が必要だが死の危険はない。
20%
非常に重病。入院と積極的な対症療法が必要。
10%
瀕死の状態。宿命的な経過が急速に進行中。
0%
死亡。
判定スコア
100%
正常な活動が可能
評価概要:
患者は通常の活動や仕事を継続でき、特別なケアを必要としません。

カーノフスキー・パフォーマンス・ステータス (KPS) とは?

カーノフスキー・パフォーマンス・ステータス(Karnofsky Performance Status, KPS)は、主にがん患者や慢性疾患を持つ患者の全身状態を評価するために世界中で広く使用されている指標です。

1949年にデビッド・A・カーノフスキー博士らによって考案されたこの評価法は、患者の日常生活動作(ADL)や仕事能力、そして介護の必要性を0%から100%までの11段階(10ポイント刻み)で数値化します。KPSが高いほど、患者は自立した生活が可能であり、KPSが低いほど、医学的な集中ケアが必要であることを示します。

KPSの3つの大きな階層

KPSは大きく分けて以下の3つの臨床的カテゴリーに分類されます。

1. スコア 80% 〜 100%(正常な活動が可能な群)

患者は通常の活動を継続でき、仕事を行う能力も維持されています。特別な支援や医療的な集中ケアは必要ありません。

2. スコア 50% 〜 70%(通常の活動はできないが、自立は可能な群)

自分自身の身の回りの世話(食事、着替え、排泄など)は可能ですが、仕事や激しい活動は困難になります。ある程度の補助や、頻繁な医療的フォローアップが必要となる段階です。

3. スコア 0% 〜 40%(自立が困難で、常にケアが必要な群)

身の回りのことに支援が必要となり、多くの場合、入院や積極的な対症療法が必須となります。0%は残念ながら死亡を意味します。

臨床現場での重要性:なぜPSを評価するのか?

1. 化学療法の適応判断

抗がん剤治療(化学療法)は、体に大きな負担をかけます。KPSが低い(一般に50〜60%未満)患者に強力な治療を行うと、副作用のリスクが利益を上回ってしまう可能性があります。治療プランを決定する際の客観的なエビデンスとしてKPSは不可欠です。

2. 予後の予測

数多くの臨床研究により、KPSの値が患者の生存期間と強い相関関係にあることが証明されています。特に進行がんにおいては、KPSは最も信頼できる予後予測因子の一つです。

3. 緩和ケアとQOLの向上

KPSが低下してきた時期には、積極的ながん治療から「痛みや苦痛を取り除く緩和ケア」へと比重を移す判断基準となります。患者のQOL(生活の質)を最大限に保つためのナビゲーターとしての役割を果たします。

ECOG-PSとの違い

臨床試験などでよく使われるもう一つの指標に「ECOG-PS(ズブロド・スコア)」があります。これは0〜5の6段階で評価する簡易的なものですが、KPSの方がより細かく(11段階)状態を反映できるというメリットがあります。

KPSスコア ECOG相当 状態の概要
100-90% 0 完全に自立、無症状。
80-70% 1 軽作業は可能だが重労働は不可。
60-50% 2 日常生活は可能だが仕事は不可。日中の半分以上は離床。
40-30% 3 限られた自力生活。日中の半分以上は就床。
20-10% 4 完全に就床状態。全介助。

まとめ

カーノフスキー・スコアは、単なる数字ではありません。それは医療従事者、患者、そしてご家族が、今後どのようなケアを選択し、どのように日々を過ごすべきかを話し合うための「共通言語」です。本計算機が、正確な状態把握と適切な治療・ケアの選択の一助となれば幸いです。

ご注意: 本ツールは臨床的な補助ツールであり、最終的な医学的評価は必ず医師の診察によって行ってください。自己判断での治療変更は絶対におやめください。