Maddrey判別関数計算機 (MDF)
アルコール性肝炎の重症度と予後を予測
このツールは情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスの代わりにはなりません。診断や治療については必ず医師に相談してください。
重症度評価
予後予測
Maddrey判別関数 (MDF) とは?
Maddrey判別関数(Maddrey Discriminant Function: MDF)は、アルコール性肝炎(Alcoholic Hepatitis: AH)の重症度を評価し、予後を予測するための従来のスコアリングシステムです。1978年にMaddreyらによって提唱されました。特に、コルチコステロイド(ステロイド剤)治療の適応を判断するために広く使用されています。
計算式
MDFは、プロトロンビン時間(PT)の延長と血清総ビリルビン値に基づいて計算されます。
- PT (Prothrombin Time): 血液凝固能の指標。肝臓での凝固因子合成能を反映します。
- Bilirubin: 黄疸の指標。肝細胞障害や胆汁うっ滞を反映します。
スコアの解釈と臨床的意義
MDFスコアのカットオフ値は一般的に 32 とされています。
スコア < 32 (軽症〜中等症)
短期間(1ヶ月)の自然死亡率は低く、通常は10%未満です。積極的な栄養療法や断酒などの対症療法が中心となり、特異的な薬物療法(ステロイドなど)は通常推奨されません。
スコア ≥ 32 (重症)
重症のアルコール性肝炎を示唆します。治療を行わない場合の1ヶ月死亡率は35%〜50%にも達すると報告されています。感染症や消化管出血などの禁忌がない限り、コルチコステロイド(プレドニゾロン40mg/日など)による治療が生存率を改善する可能性があるため、その適応となります。
その他の評価法との比較
MDFは歴史的に最も使用されてきましたが、近年ではMELDスコア(Model for End-Stage Liver Disease)やLilleスコアなども併用されます。
- MELDスコア: 腎機能(クレアチニン)も含めた評価法。
- Lilleスコア: ステロイド治療開始から7日目の反応性を見て、治療継続の可否を判断する指標。
注意点
プロトロンビン時間の測定系によって対照値(Control PT)が異なるため、施設ごとの基準値を使用することが重要です。また、敗血症や消化管出血を合併している場合は予後が悪化するため、総合的な評価が必要です。