Gojikara Environmental Engineering

MLVSS 計算シミュレーター

微生物質量の精密な把握と排水処理の最適化管理に

簡易モード (MLSS比)
実験値モード (直接算出)
mg/L
ratio
算出された MLVSS 濃度
--
mg/L

MLVSS(活性汚泥揮発性浮遊物質)とは

排水処理工学、特に活性汚泥法において、曝気槽(処理槽)内の微生物濃度を適切に制御することは、安定した水質を得るための絶対条件です。その管理指標として最も重要視されるのがMLVSS(Mixed Liquor Volatile Suspended Solids)です。

MLSS(曝気槽混合液浮遊物質)が「水に含まれるすべての固形分」を指すのに対し、MLVSSはそこから無機物(強熱残分、砂や土など)を差し引いた、「熱で燃えて無くなる有機分」を指します。活性汚泥の中核をなす微生物は有機物であるため、MLVSSは事実上、槽内に存在する「働く微生物の量」を近似的に表す指標として機能します。

1. MLVSS の算出公式

本計算機では、実務で使われる以下の2つの計算方法をサポートしています。

実験データからの算出(直接法)

MLVSS (mg/L) = (W1 - W2) / V * 1000
  • W1 : ガラス繊維ろ紙上の汚泥を105℃で乾燥した後の重量 [mg]
  • W2 : 600℃±25℃で強熱残分試験を行った後の重量 [mg]
  • V : ろ過した試料の容量 [mL]

MLSS からの推算(簡易法)

MLVSS = MLSS * VSS_Ratio

一般的に、下水処理施設では VSS比率は 0.75〜0.85 程度の範囲に収まることが多いですが、流入水に含まれる微細な土砂や凝集剤の使用量によって変動します。

2. MLVSS 管理のメリットと指標

なぜ MLSS ではなく MLVSS で管理する必要があるのでしょうか? それは、処理効率を決定する重要な管理値「F/M比(有機物負荷)」に関わるからです。

F/M比 (Food / Microorganisms)

F/M比 = 一日のBOD流入量 / (曝気槽容量 × MLVSS)

この値が高すぎると(餌が多すぎる)、処理しきれずに水質が悪化します。逆に低すぎると(微生物が多すぎる)、自己酸化が進んで汚泥が解体し、バルキング気味の処理水になることがあります。MLVSSを正確に把握することで、この黄金比を維持することが可能になります。

3. 試験・測定上の注意点

  • 強熱温度の遵守: 強熱工程では600℃前後を維持します。温度が低すぎると有機物が燃え残り、高すぎると無機塩類が気化し、誤差の原因となります。
  • 試料の均質化: 曝気槽内の汚泥は場所によって濃度が偏りやすいため、代表的な地点の槽中央部付近から採取し、速やかに分析に回す必要があります。
  • ろ紙の種類: 日本工業規格(JIS)に準じた、適切な保留粒子のガラス繊維ろ紙を使用することが前提となります。

4. 異常時の判断基準:MLVSS/MLSS比

この比率が極端に低下した場合、沈砂池の機能低下による土砂流入や、無機性排水の混入が疑われます。逆に比率が上昇しすぎている場合は、余剰汚泥の引き抜き不足による汚泥の老廃化(SRTの延びすぎ)が懸念されます。日々の数値をプロットし、施設固有の「平常値」を知ることが、事故を未然に防ぐ鍵となります。

まとめ

排水処理は、いわば巨大な生き物を育てる工程です。MLVSS計算機は、その生き物のエネルギー状態を知るための健康診断ツールとも言えます。Gojikara Environmental Engineeringは、精密な数値管理を通じて、持続可能な水環境の保全に取り組むすべての管理技術者をサポートします。