P/F比 (PaO2/FiO2) 計算機

血液ガスデータからARDS重症度を迅速評価。

※室内気(Room Air)の場合は 0.21 または 21%
P/F比 Result
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P/F比を用いた呼吸不全の評価:Berlin定義と臨床応用

P/F比(PaO2/FiO2 ratio)は、動脈血酸素分圧(PaO2)を吸入酸素濃度(FiO2)で割った値であり、肺の酸素化能力を評価するための最も重要な指標の一つです。「ホロウィッツ指数(Horovitz index)」とも呼ばれます。特に、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の診断と重症度分類(Berlin定義)において中心的な役割を果たします。

P/F比の計算式と基準値

計算は非常に単純です:P/F比 = PaO2 ÷ FiO2

  • 正常値:400〜500 mmHg(以上)
  • 例:室内気(FiO2=0.21)でPaO2が95mmHgの場合、95 ÷ 0.21 ≒ 452 ➡️ 正常

値が低いほど、酸素化障害が重篤であることを意味します。つまり、「高い酸素を与えているのに(高FiO2)、血液中の酸素が低い(低PaO2)」状態です。

ARDSの重症度分類(Berlin定義)

2012年に発表されたBerlin定義では、PEEP(呼気終末陽圧)またはCPAPが5cmH2O以上の条件下で、以下のように分類されます。

重症度 P/F比の範囲 死亡率(目安)
軽症 (Mild) 200 < P/F ≤ 300 約27%
中等症 (Moderate) 100 < P/F ≤ 200 約32%
重症 (Severe) P/F ≤ 100 約45%

臨床での注意点

  • PEEPの影響:Berlin定義ではPEEP≧5cmH2Oが前提条件です。PEEPをかけない状態での値は、正確なARDS評価としては扱われないことがあります。
  • 血液ガス分析が必要:P/F比を正確に求めるには、動脈血採血(Aラインまたは穿刺)が必要です。侵襲的であるため、頻回な測定には痛みを伴います。
  • S/F比による代用:非侵襲的なパルスオキシメーターを用いたSpO2/FiO2比(S/F比)も有用なスクリーニング指標ですが、SpO2が97%以下の場合に信頼性が高くなるとされています(98-100%では酸素解離曲線の平坦部にあたるため感度が落ちる)。

よくある計算ミス

最も多い間違いは、FiO2の単位です。計算式ではFiO2を小数(例:40%なら0.4)で扱います。「80 ÷ 40 = 2」としてしまうと正しい値(80 ÷ 0.4 = 200)になりません。当計算機では自動的に変換を行いますが、手計算の際は注意が必要です。

まとめ

P/F比は、呼吸管理における共通言語です。日々の回診や人工呼吸器設定の変更時に、患者の肺の状態を客観的に把握するために活用してください。