フィリップス曲線計算機

インフレと失業。経済政策の永遠のジレンマ。

※失業率ギャップがインフレに与える影響の強さ
ESTIMATED INFLATION RATE
0.00%

フィリップス曲線とは:マクロ経済学の核心

フィリップス曲線(Phillips Curve)は、1958年にニュージーランドの経済学者A.W.フィリップスによって提唱された、失業率とインフレ率(名目賃金上昇率)の間に存在する「逆の相関関係(トレードオフ)」を示す経済モデルです。

短期フィリップス曲線の式

現代のマクロ経済学(期待付きフィリップス曲線)では、以下の式で表されます。

π = πe - β(u - u*) + v

  • π(パイ): 実際のインフレ率
  • πe: 予想インフレ率(人々が将来どれくらい物価が上がると予想しているか)
  • u: 実際の失業率
  • u*: 自然失業率(NAIRU: インフレを加速させない失業率)
  • β: パラメータ(傾きの大きさ)
  • v: サプライショック(原油価格高騰など)

トレードオフの意味

この式は、「失業率($u$)が自然失業率($u*$)よりも低いとき(好景気で人手不足のとき)、インフレ率($\pi$)は予想インフレ率($\pi e$)よりも高くなる」ことを意味しています。

  • 失業率を下げるには: 景気を刺激する必要がありますが、副作用としてインフレが発生します。
  • インフレを抑えるには: 金融引き締めが必要ですが、副作用として失業率が上昇します。

長期フィリップス曲線とスタグフレーション

1970年代のオイルショック時には、不況(失業増)とインフレが同時に進行する「スタグフレーション」が発生し、従来の単純なフィリップス曲線では説明がつかなくなりました。ミルトン・フリードマンらは、「長期的には、人々はインフレ予想を修正するため、失業率は自然失業率に収束する(トレードオフは消滅する)」と説きました。これを「長期的垂直フィリップス曲線」と呼びます。

現代の金融政策

中央銀行(日銀やFRB)は、この理論に基づき、インフレ期待($\pi e$)を安定させること(インフレターゲット2%など)を最重要視しています。インフレ期待が安定していれば、一時的なショックがあっても経済は安定を取り戻しやすいからです。