Riker SAS (鎮静・不穏スケール) 計算機

患者の行動・反応から鎮静レベル(1〜7)を判定します。

患者の状態に最も当てはまる項目を選択してください。

判定結果

Riker SAS (Sedation-Agitation Scale) とは

Riker Sedation-Agitation Scale(SAS)は、1999年にRikerらによって開発された、成人ICU患者の鎮静および不穏状態を評価するためのスケールです。患者の行動を「危険な不穏(スコア7)」から「覚醒不能(スコア1)」までの7段階で評価します。

Riker SASの7つのスコア定義

SASスコア 定義 詳細な行動指針
7 危険な不穏 気管チューブやカテーテルを抜こうとする、スタッフを殴る、ベッド柵を乗り越えようとするなど、自己または他者に危害を加える状態。
6 非常に不穏 頻回な指示が必要。鎮静下でもチューブを噛むなどがあるが、攻撃的ではない。
5 不穏 不安そうで落ち着かない。座ろうとしたり手足を動かしたりするが、言葉かけで落ち着くことができる。
4 平穏・協力的 落ち着いており、容易に覚醒する。指示に従うことができる。多くのICU管理における目標レベル。
3 鎮静 覚醒維持は難しいが、呼びかけや軽い刺激で覚醒し、簡単な指示(手掌握など)に従うことができる。
2 非常に鎮静 呼びかけには反応しないが、物理的刺激(ゆするなど)で開眼したり体動がある。指示には従えない。
1 覚醒不能 痛み刺激に対しても反応がないか、最小限の反応のみ。

臨床での活用ポイント

ICUにおける鎮静管理の基本は、「過鎮静」と「過小鎮静(不穏)」の両方を避けることです。

  • 過鎮静のリスク(SAS 1-2): 人工呼吸器装着期間の延長、筋力低下、ICU在室日数の長期化、せん妄のリスク増加。
  • 不穏のリスク(SAS 5-7): カテーテルやチューブの自己抜去事故、酸素消費量の増加、スタッフの負担増、PTSDリスク。
  • 理想的な目標: 通常は SAS 3〜4(鎮静〜平穏・協力的)を目標に鎮静薬を持続投与・調整します。ただし、重症呼吸不全(ARDS)や頭蓋内圧亢進など、深い鎮静が必要な場合はこの限りではありません。

Riker SASとRASSの違い

現在、ICUで最も広く使われている鎮静スケールにRASS (Richmond Agitation-Sedation Scale) があります。

  • RASS: +4から-5までの10段階評価。聴覚刺激と身体刺激による反応手順が明確に定義されており、信頼性が高いとされる。
  • SAS: 7段階評価。よりシンプルで直感的に分かりやすいため、一部の施設では好まれて使用されています。また、不穏の行動(危険な行動)に関する記述が具体的です。
どちらを使用するかは施設のプロトコルによりますが、重要なのは「チーム全体で同じスケールを使い、共通言語で評価・記録すること」です。

※本ツールは参考用です。実際の医療判断は患者の個別性や医師の指示に基づいて行ってください。