真対気速度 (TAS) 計算機

航空機の性能把握に欠かせない、空気密度を考慮した実際の飛行速度を算出します。

飛行データを入力

knots
feet
°C
高度が高く、気温が高いほどTASは上がります。

計算結果:TAS

真対気速度 (TAS) とは何か?

航空機の速度にはいくつかの種類がありますが、その中でも「真対気速度(TAS: True Airspeed)」は、航空機がその時点の空気の中を実際にどれだけの速度で進んでいるかを示す数値です。コクピットの計器に表示される「指示対気速度(IAS)」は、空気の密度の変化を反映していないため、高度が上がるにつれて実際の速度(TAS)との乖離が大きくなります。飛行計画(フライトプラン)を立てる際や、正確な到着時刻(ETA)を算出する際には、このTASを把握することが不可欠です。

航空機における「対気速度」の4つの階層

パイロットや航空ファンが知っておくべき、主要な速度の定義を整理します。

  • IAS (Indicated Airspeed): ピトー管からの圧力(動圧)をそのまま測定して計器に表示した速度。離着陸の際の揚力把握に重要です。
  • CAS (Calibrated Airspeed): IASから計器の取り付け誤差や位置誤差を修正したもの。現代のハイテク機ではIASとほぼ同等ですが、古典機では大きな差が出ることがあります。
  • TAS (True Airspeed): CAS(またはIAS)を、現在の高度と気温(空気密度)に基づいて修正した、実際の大気中での速度。
  • GS (Ground Speed): TASに風速の影響(向かい風・追い風)を加味した、地面に対する速度。

TASの計算ロジック:なぜ高度で速度が変わるのか?

高度が上がると空気は希薄になります。同じ100ノットのIASで飛んでいても、高高度では空気が薄いため、同じ動圧を得るためには航空機はより速く進む必要があります。大まかなルールとして、**「1,000フィート上昇するごとにTASはIASより約2%速くなる」**と言われていますが、当計算機ではより厳密に気温の影響も含めて算出しています。

公式の概要は以下の通りです:

$TAS = CAS \times \sqrt{\frac{\rho_0}{\rho}}$
$\rho_0$: 標準海面密度, $\rho$: 現在の空気密度

飛行計画におけるTASの重要性

なぜ指示速度(IAS)だけでは不十分なのでしょうか?

  1. 燃費と航続距離: TASが高ければ同じ燃料でより遠くへ行けます。高高度への上昇は、TASを稼ぎ燃費を向上させるための戦略的な判断です。
  2. ナビゲーション: 上空の風の予報はGSを算出するための基準となりますが、そのGSのベースとなるのがTASです。TASを間違えると、燃料切れや予定時刻の大幅なズレに繋がります。
  3. 機体限界の理解: Vne(超過禁止速度)は構造的な強度に関わるためTASで制限される場合もあり、高高度での高速飛行には細心の注意が必要です。

まとめ:正確な計算で安全な空の旅を

現代の航空機はFMS(飛行管理システム)が自動でTASを計算してくれますが、原理を理解しておくことはパイロットにとっての教養であり、異常時の判断基準となります。「真対気速度(TAS)計算機」を活用して、空気の性質と速度のダイナミックな関係を体感してください。

よくある質問

Q. 冬と夏、どちらがTASが速くなりますか?
A. 同じ高度、同じIASで飛んでいる場合、気温が高い「夏」の方が空気が薄くなるため、TASは速くなります。
Q. 音速との関係は?
A. TASが速くなり音速に近づくと「マッハ数」が重要になります。高高度では音速そのものが(気温低下により)遅くなるため、TASがそれほど速くなくてもマッハ数が高くなる現象に注意が必要です。
Q. ヘリコプターでも同じ計算ですか?
A. はい、原理は同じです。ただしヘリコプターは固定翼機よりも低い高度で飛ぶことが多いため、乖離はそれほど大きくならない傾向があります。